ヒプノセラピー(催眠療法)とは
ヒプノセラピー(催眠療法)とは、人為的に作り出した催眠状態の特性を利用して意識の変革や構築を行う心理療法の総称で、暗示療法、イメージ療法、退行療法と大きく分類されます。そしてこの退行療法に、インナーチャイルドセラピー(年齢退行療法)と前世療法があります。
ヒプノセラピーは、1955年に英国医師会から有効なセラピーとして認められています。1958年には米国医師会と米国心理学会から有効なセラピーとして認められています。また、米国歯科医師会も有効なセラピーとして認めています。

催眠って何だろう?
催眠 | 人為的に顕在意識と潜在意識の間にある境界線をはずし、二つの意識が繋がった変性意識状態(トランス状態)の一つ。 境界線は、13才くらいで出来る |
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催眠術 | 催眠状態(変性意識状態)へ導く手段や技術。現状は、テレビなどで行われる「ショー催眠」の分野が「催眠術」というイメージが強い。 |
催眠療法 | 他者(催眠療法士)がクライアントを催眠状態に導き、その特性やプロセスを用いて行う心理療法 ≪暗示療法・イメージ療法・インナーチャイルドセラピー(年齢退行療法)・前世療法・未来療法等≫ |
催眠状態とは
催眠状態とは、顕在意識と潜在意識が繋がった状態。(読書・映画鑑賞・スポーツ等も催眠状態と似た変性意識状態である)
心理学では、変性意識状態(トランス状態)と呼ぶ。
特性
意識の変革や構築(潜在意識に取り込まれた内容の確認・書き換え・削除・追加等)が可能な状態である。
顕在意識と潜在意識について
顕在意識 | 主に、論理的思考・理性・知性・意思・決定力を司る。(意識全体の概ね10%にあたる) |
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潜在意識 | 主に、想像力・感情・感覚・直感を司る。(意識全体の概ね90%にあたる) |
分かりやすいイメージとして、これらの意識を水中に浮かぶ氷山にたとえると、氷山の10%ほどにあたる水面上の部分が顕在意識であり、残り90%ほどにあたる水中に沈んで見えない部分が潜在意識になります。
氷山が水面で区切られているように、二つの意識の境目にもフィルターのようなものがあるのです。
催眠状態では、外からの多種多様な情報や刺激のうち、どれを潜在意識に取り入れるか、また、より良く対応して生きていくために、潜在意識に蓄積されたデータの何を引き出したら良いかの判断が研ぎ澄まされ、フィルターの開閉が柔軟になり、その出し入れがしやすくなります。
催眠状態は特定の技法によって作り出されるだけでなく、日常の生活の中でも、1日に何回もこの状態になっていると言われています。
例えば、食事をするのも忘れて何かに没頭していた、考え事していたら誰かに声をかけられたのに気づかなかった、お風呂に入っていたら良いアイデアが浮かんだなどです。
このように、時間の歪曲・集中力の高まり・心身のリラックス・イメージの活性化などが催眠状態の特徴になります。
催眠の深度
類催眠状態 | 軽いくつろぎ、倦怠感、目蓋のカタレプシー(筋不随意運動)。 |
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浅催眠 (15~20%) |
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中等度催眠 (60~70%) |
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深催眠 (15~20%) |
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ヒプノセラピーで効果が期待される例
セルフコントロール | リラクセーション、性格、ストレスマネジメント、ぺインコントロール |
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自己探求 | 人生の目的、生きがい |
能力開発 | やる気、集中力、持続力、記憶力、判断力、発想力、自然治癒力、学習能力、運動能力、潜在能力、コミュニケーション能力、イメージトレーニング、メンタルリハーサル |
習癖や行動の修正・改善 | 偏食、過食、喫煙、爪噛み、歯ぎしり、乗り物酔い |
対人関係 | 家族・学校・職場の人間関係、赤面、吃音 |
心身の不調 | 不眠、手足のしびれや震え、頭痛、動悸、めまい、冷や汗、イライラ、不安、憂鬱、倦怠感、息苦しさ、恐れ、動揺 |